レム睡眠行動障害


夢をみながら、寝言を言ったり、異常行動を繰り返したりする病気です。
夢をみるのはレム睡眠の時で、夢をみて危ない行動をとらないように、レム睡眠の時は、筋肉の力が抜けるのが普通です。しかしこの病気では筋肉の力がレム睡眠のときにも落ちないために、夢の通りに行動してしまうことになります。(人と争ったりする夢をみて、壁をけってけがをしたり、隣の奥さんを叩いてしまったりと、危険な行動をとることもあります。)
神経疾患の前兆症状としても注目されています。

終夜睡眠ポリグラフという検査を行います。(1泊の入院が必要です)

脳波や筋電図、睡眠中の動きを記録し、診断を行います。

レム睡眠行動障害の一例


主訴:睡眠中の行動異常
現病歴:
3~4年前から睡眠中(入眠後1~2時間たった頃)に、寝言が増えてきた。徐々に、回数も増え、寝言の内容もはっきりとしてきた。最近では大声で 「こら一 ! 」「いくぞ一 ! 」と叫び、手足を大きく動かしたりするようになった。
妻が声をかけるとすぐに覚醒し、夢の内容と行動が一致していることもある。 夢の内容は何かに追いかけられていたり、誰かと喧嘩をしていたりすることが多い。 頻度が徐々に増えてきているため、かかりつけ医に相談し、紹介となった。
睡眠ポリグラフ結果:
終夜睡眠ポリグラフ検査中、すべてのレム睡眠期でRWA(REM sleep without atonia :レム睡眠期に筋電図が低下しない所見)が確認された。 記録ビデオからも寝言や手足を動かす様子がREM期にのみ確認され、看護師が確認した寝言や行動の内容と、患者を覚醒させて確認した夢の内容に一致が見られたことから、REM睡眠行動障害と診断。
治療効果:
クロナゼパムの内服を開始し、 寝言程度は見られるものの叫ぶことや手足を動かすことは少なくなった。